おしゃれに暮らす

 仕事が一段落した2週間まえに思い立って髪を切りました。サイトで見つけた美容院へ初めての訪問で10センチ以上切るのは自分でも冒険だったけれど、悪くない仕上がりで、ちょっとうれしくなりました。その美容院に飾られていたのがメグ・ホソキさんのイラストで、空間にしっくりなじんでいました。
 『とくべつな毎日』は、メグ・ホソキさんのイラスト・エッセイ。絵そのものよりも、色づかいや白く残した余白が上手だなあと思います。毎日を大切に生きている感じがとてもすてきです。たまたま図書館で見つけたのですが、1994年から1997年にフリーペーパーに掲載されたものをまとめて2000年に出版されたのでした。去年もたいまさこさんのエッセイを読んだときにも思ったのだけど、そのあとどんなふうに年齢を重ねられたのでしょうか。そのあたりをまた読めたらなと思いました。

才能と幸福は比例しないのかもしれないけれど

 前回パタリと手が止まってしまった本、電車に無理やり持ち込んでようやく上巻は終了したものの、逃避はまだ続いていて、下巻がまた進まない! その隙に、大好きな沢木耕太郎の『世界は「使われなかった人生」であふれてる』を読み終えました。昨年読んだ『「愛」という言葉を口にできなかった二人のために』の前作に当たるエッセイ集で、暮らしの手帖に連載された「映画の感想文」をまとめたものです。日本語の下手なわたしは、沢木さんの文章を読むたびにこんなふうに文章が書けたらどんなに幸福だろうと思ってしまうのですが、それはあんなふうに美人だったら、スタイルがよかったら、歌がうまかったらと思うのと同じで、当人はそのような才能に恵まれていたからといって、そのために幸福ということはないのかもしれませんね。
 映画について書かれた文章ですが、映画評論家のそれとは違ってかなり筋書きに踏みこんで書かれているのが印象的でした。宣伝のための文章とは明らかに一線を画しているのに、それでも読み終えたあとは観たくなってしまう――そんなエッセイです。わりとマイナーな映画が多いので今となってはレンタルショップにも並んでいないかも。でも春休みはこの本を片手にDVDを探しに行こうと思います。

日本人なら和菓子ですよ

 年齢を重ねるにつれて読書に関して偏屈になってきました。最近いやなのが小生意気で賢くて機転がきく美少女。典型的なのがハーマイオニーですが、とくに女性作家の作品にはこの手の少女が多い気がします。モテなかった少女期のリベンジと思うのは穿ちすぎですね、すみません。それでも、はいはい、またですか、まあ、いいんだけどね、という気分になってしまいます。そんなわけで、先週読んでいた本もこの手の少女が出てきてから、パタッとページが進まなくなってしまい『和菓子のアン』へ逃避。こっちはLサイズののんびりした杏子ちゃんが主人公で和むわあ。
 あとがきにはミステリーの題材としてデパ地下の和菓子店を選んだとありますが、殺人事件も盗難事件も出てこない謎ときで、ミステリというよりお仕事小説でした。和菓子の蘊蓄は『あんどーなつ』とかぶるところがあって、楽しめました。上生菓子ってほんとに縁がないけれど、これを読んでいると季節ごとに食べたくなってきます。登場人物のキャラが立っていてその後の展開が気になるので、ぜひ続編をお願いしたいところです。読書メーターのランキングで見て気になって選んだ1冊だったのですが、正直、そこまでのインパクトはなかったかな。でも山本幸久をほぼ読みつくした今、お仕事小説としてこの人の作品をもう少し読んでみたいと思いました。

早く読めばよかった

 本は読むタイミングが大切だといつも思うのですが、『殺し屋 最後の仕事』も昨年購入したときにすぐ読んでおけばよかったと思いました。キャラ命のローレンス・ブロックのなかでもケラーは好きなキャラで、とぼけた味わいを毎回楽しんできたのです。ただ今回は、ある件については濡れ衣だが清廉潔白ではない男性とそれを匿う女性という設定が、現在世間を騒がしているニュースとかぶってしまって……。ニュースについては逮捕されてよかったと心から思うので、逆に今までケラーの犯罪者という側面を軽く見てきたことを(それを言うならバーニイも)実感してしまったのでした。ケラーにはつかまってほしくないと思っていたのはなんだったんだ?というか。
 今回は要人暗殺の濡れ衣を着せられて逃げ回るケラーを描いた長編なのですが、お話自体はできすぎでミステリというよりファンタジーなので、キャラを好きになれないのは致命的です。ここまでハッピーエンドにするかい?というくらいのハッピーエンドで幕をおろしました。こういうの、やっぱりブロックらしいといえるのかもしれないですね。でもケラー、単純に好きなままでいたかったよ。

文化の壁

 続けて読んだのはバングラデシュを舞台にした児童書『リキシャ・ガール』です。主人公のナイマは10歳で村一番のアルポナの描き手。けれど幼なじみのサリームがリキシャを漕いで父親の手伝いができるのに、自分にはお金を稼ぐ手段が何もないのを悔しく思っています。ナイマも身体の調子のおもわしくない父を助けたいのです。ある日、思いあまって、父親のリキシャを内緒で漕ぎだしたナイマは――。
 昔、インドを訪れたときのことが思い出されました。まだ抽斗のとこかにパンジャビー・ドレスが眠っているはずなんだけどな。物語は意外な展開でおもしろかったのですが、文化の壁は対象年齢の子には少し高いかなと思いました。巻末の用語解説は丁寧で好感が持てますが、これが6ページもあるという時点で読者はかなり限定されてしまうのでは? 数年前の読書感想文の課題図書ですが、こういう本は親か先生主導で読ませるしかないような気もします。

こどもに迎合しなくても

 今年はもう少し児童書読書は増やしたいと思っています。今日読んだのは『空とぶ魔法、おしえます』。「夢を広げる物語」シリーズの第5巻にあたるのですが、シリーズ自体はどこから読んでもだいじょうぶ。この1冊には7つのお話が収録されていて、これもどこから読んでもだいじょうぶ。朝読狙いの軽い本でした。4、5年生に人気がある本なのですが、実際はもう少し低学年向けという印象です。つまらないお話はないのだけど、こういうのばかりになったら読書の好きな子は生まれないかもね~とちょっと心配。最近、この手の朝読書狙いのアンソロジーは実に多いのですが、この程度で読書にはまる子を作るのはほんとにむずかしいと思いますよ。

ごほうび読書

 児童書と翻訳ミステリは仕事がらみになってしまった今、楽しみだけで読める本が少なくなってしまいました。仕事の谷間に貴重なごほうび読書を実行。大好きな万城目学の『偉大なる、しゅららぼん』です。京都、奈良、大阪ときて、今度は滋賀が舞台でした。物語は琵琶湖からいただく不思議な力を持つ日出一族の涼介が、石走にある本家に居候して高校に通うところから始まります。なにしろこの本家の住むのが城で、高校までの交通手段が舟というのがもう笑えます。長年対立してきた棗家があるかと思えば、一方で新たに赴任した校長先生の不穏な動きがあり、ええーい、あとはもう読んでくださいっ!といいたくなるくらい話はあちこちに飛ぶんだけど、決して取り散らかってるわけではなく、びっくりしたりキュンとなったり、今回も万城目ワールドを堪能しました。これも映画化されるのでしょうか。しゅららぼん、CGで見てみたい気もします。

2012年のマンガ(1)

 今年もマンガは続けて読んでいこうと思います。新年用に借りた10冊は『ちはやふる』『きのう何食べた?』の最新刊、『宇宙兄弟』(2冊)『あんどーなつ』のレギュラー陣に『ストロボエッジ』『名前はとうに失われた』(各2冊)『カプチーノ』というラインナップでした。安定した打率を誇るレギュラー陣は今回も堪能しました。冒険した新人ですが『ストロボエッジ』は今いち。『君に届け』の爽子ちゃんとそんなに違わないのに仁菜子ちゃんはうざい。うーん、なぜなんだ? 『カプチーノ』は同棲カップルの男性側(予備校教師)のほうに仁菜子ちゃんのような強引一途な高校生が絡んできてややこしくなる話なので、いろいろ考えさせられました。高校1年生だから仁菜子の一途さが読者にアピールするし正論に聞こえるのだと思うけど、これ、蓮が既婚者だったらどうなの、とかね。借りたマンガの組み合わせが悪かったのかも。

修養がたいせつ

 今年の最初の1冊は岩波現代文庫『鈴木大拙とは誰か』です。昨年から少しずつ読んでいたのをようやく読み終えました。ほんと、1か月まえは鈴木大拙って誰?という感じのわたしでしたが、この本を読んでいて、どんどん好きになりました。西洋にとってまったく新しい概念である「禅」を西洋哲学では説明できないものと喝破して紹介したその功績はもちろん素晴らしいものです。けれどもそれだけではないことがこの本を読むとよくわかります。このように新しい考え方はともすれば胡散臭く思われてしまうところを、大拙師の人間的魅力のために耳を傾けずにはいられなかったと多くの人が語っているのです。頭がよかったり口がうまかったりするだけではだめなんだと改めて教えられました。この分野は今年もう少し追いかけていきたいと思っています。

2011年のマンガと絵本の記録

 昨年のマンガと絵本は入れた記録は234冊でした(「読書メーター」さまありがとうございます!)。この総冊数は一昨年から18冊増えました。マンガはけっこう読んだ気がします。
 印象に残ったマンガは『君に届け』『チャンネルはそのまま!』『ハガネの女』『3月のライオン』『チェーザレ』『テルマエ・ロマエ』『海街Diary』といったところでしょうか。やはり、みんながおもしろいというものはおもしろいです。
 絵本は、ちょっと少なかったかな。今年はもっと意識して読むつもりです。昨年読んだなかでは『わたしのにわ』が心に残りました。

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