心にしみいる
学校に行けなくなった中学1年生のまいが、英国人のおばあちゃんの家に預けられ、自然と暮らすおばあちゃんとの交流のなかで成長していく姿を描いた『西の魔女が死んだ』は、梨木香歩の原点とも思える作品だった。とても心に残った、まいとおばあちゃんの会話を、ちょっと長いけど引用させてください。
「ねえ、おばあちゃん。意志の力って、後から強くできるものなの? 生まれつき決まっているんじゃないの?」
まいは聞いてみた。
「ありがたいことに、生まれつき意志の力が弱くても、少しずつ強くなれますよ。少しずつ、長い時間をかけて、だんだんに強くしていけばね。生まれつき、体力のあまりない人でも、そうやって体力をつけていくようにね。最初は何にも変わらないように思います。そしてだんだんに疑いの心や、怠け心、あきらめ、投げやりな気持ちが出てきます。それに打ち勝って、ただ黙々と続けるのです。そうして、もう永久に何も変わらないんじゃないかと思われること、ようやく、以前の自分とは違う自分を発見するような出来事が起こるでしょう。そしてまた、地道な努力を続ける、退屈な日々の連続で、また、ある日突然、今までの自分とは更に違う自分を見ることになる、それの繰り返しです」
この会話が自己啓発の本に出てきたら読みすごしていたかもしれないけれど、この物語のなかで語られると、きちんと心にしみこんできた。不思議。
それと結末のところで、まいはショウコという少女に出会うのだけど、この二人の関係がちょっぴり(ほんのちょっぴり)『下妻物語』っぽく、乙女の正しい姿はどこかで似通うものだなあと思ったのであった。
そうだ、あれこれ迷っていないで、わたしも地道に翻訳の勉強を続けることにしよう。そうして、永久に何も変わらないと思えるくらいやってから、次のことを考えることにしよう。(あ、なんか珍しく前向き。)










Comments
Yasushi といいます。
すみません、誤操作でトラックバックが何通か行ってしまいました。お許しください。
Posted by: Yaushi | 2004.08.28 at 12:07 PM
如月さん、こんにちは
『西の魔女が死んだ』ファンの方がいらして、私もうれしいです。梨木香歩さんは『家守綺譚』以降、ひそかなマイブームなんです。ぜひ他の本も読んでみてくださいね。
Posted by: 本を読む女 | 2004.08.20 at 11:00 AM
はじめまして。
梨木香歩さんはこの1冊しかまだ読んでいませんが、とても好きな本です。まいとおばあちゃんとの会話、心にしみいりますね。嬉しくて、即、トラックバックさせていただきました。
勝手ながらMy bloglistに貴ブログをリンクさせていただいております。差し支え等ございましたら、ご遠慮なくお知らせください。
Posted by: 如月 | 2004.08.19 at 05:49 PM